てんとうむし豆知識1「名前」
テントウムシ
コウチュウ目 テントウムシ科(coccinelidae)
日本の漢字では「天道虫」
これはてんとうむしが上へ向かって登り、太陽に向かって飛ぶ習性からこの名前がついたと言われています。
16世紀に日本に来たポルトガル宣教師が「天=神』と結び付けて名前をつけた、という説もあります。
中国では「紅娘」「瓢虫」とも言うそうですが赤くないてんとうむしもいます。
欧米ではてんとうむしの呼び名はとても宗教的な意味合いを含んでいます。
てんとうむしが天に向かって飛ぶ様子を
”天国の席を予約しに行ってくれている”→”神様のお使い”
と考えられたからで、昆虫を「悪魔」よばわりする欧米人にとっててんとうむしは特別な存在のようです。
米語では
「lady bird」マリア様の鳥
「lady bug」マリア様の虫
「lady beetle」マリア様の甲虫
”lady"は貴婦人ではなくマリア様という意味です。
ドイツ語では
「marienkafer」マリア様の甲虫
フランス語では
「labete a bon Dieu」神様の虫
イタリア語では
「coccinella」学名に近い呼び方
「gallinella del Signore」
主(神)の若い(小さな)めんどりと呼びます。
ロシア語では
「Божьи коровки(ボジィイ・カローフキ)」
神の牛
スロベニア語
「PIKAPOLONiCA(ピカポロンツァ)」
スウェーデン語
「 (Maria) nyckelpiga (マリア)ニッケルピーガ 」
「gullhona グルフーナ」oはウムラウト
デンマーク語
「marieho/ne マリーエフーネ」
ノルウェー語
「mariho/ne(マーリフーネ)」どちらもoに/が組み合わさった文字です。
おもしろいのはアメリカとイタリアでは鳥に、ロシアでは牛(!)にしちゃっているところです。推測ですが、てんとうむしを虫と思いたくなかったので(なにしろ悪魔ですから)無理矢理”鳥”や”牛”ってことにしたのではないでしょうかね。
参考文献:
てんとうむし豆知識2「苦虫」
「苦虫をかみつぶしたような」
という言葉があります。
意味は
「ひどく不機嫌そうな表情。苦々しそうな顔の様子」
この「苦虫」は想像上の虫という説もありますが、テントウムシのことだという説もあります。テントウムシが危険な目に合った時に関節から出す黄色い汁、あれがとても苦いらしいのです。
鳥も食べないのだとか。食虫家のみなさんもテントウムシは食べないらしいです。
そんな苦虫・テントウムシに似せて身を守っている虫がいます。
「アオバセセリの幼虫」
頭部がナナホシテントウそっくりです。虫嫌いの方もいらっしゃるので全身画像はやめておきますが身体は白黒ストライプです。葉っぱから頭だけ出しているとテントウムシにしか見えません。「食べてもおいしくないですよ〜」
って主張してるのでしょうか。面白いですね。
てんとうむし豆知識3「益虫・害虫」
ナナホシテントウやナミテントウなどのてんとうむしはかわいい顔して肉食。
幼虫も成虫も1日にアブラムシを50匹食べます。
アブラムシ以外は食べません。
そのため生物農薬と呼ばれ無農薬栽培の強い味方なのです。
ただ飛んでいってしまうのが難点。そこでなんと13年間品種改良を繰り返し、飛ばないてんとうむしを開発!
天敵製剤テントップ(50頭入り)4620円💦
キイロテントウやシロホシテントウはうどんこ病の菌を食べます。
きゅうりやトマトによく発生するうどんこ病金を食べてくれるので益虫です。
これに対して害虫とされるてんとうむしも。ニジュウヤホシテントウとオオニジュウヤホシテントウはナス科やウリ科の葉を好みボロボロになってしまうまで食べるので嫌われ者です。
益虫か害虫かは人間の都合なんですけどね、、、
てんとうむしがもりもり食べる様子はこちら
↓
てんとうむし豆知識4「完全変態」
てんとうむしは完全変態昆虫。
幼虫→さなぎ→成虫
と全然違う形に変化。
さなぎから羽化したては、ホシはありません。
時間と共に浮き上がってきます。
小学生の時にその様子を目撃した時にその神秘さに心奪われました。
その後、中学・高校・20代と青春にかまけてすっかり忘れておりましたが、、
30代になってからまた目撃、、、
そこからすっかり虜です✨
ホシが花模様だったら家紋だったら、、と妄想、、いえ発明に次ぐ発明!
30種の新種はこうして生まれたのでした☺️
てんとうむし豆知識5「速度」
てんとうむしは意外と早い。
トップスピードは時速24km(15マイル)
クロスバイク(スポーツ自転車)の平均速度と
同じくらいだそうです。
てんとうむし豆知識6「種類」
日本には100種類以上のてんとうむしがいると
言われています。
よく見かけるナミテントウやナナホシテントウの
他、じゃがいもなどの葉っぱを食べるニジュウヤ
ホシテントウや菌を食べるキイロテントウ、、、
クチビルテントウ、メダマテントウ、アミダテン
トウなんて変な名前のてんとう虫もいます。
写真はウエザーニュースより
てんとうむし豆知識7「生態」
・メスの方が大きい
・2本の触覚でアブラムシや他の虫に気づく
・鳥に狙われるとひっくり返って死んだフリをする
・足先には細かい毛が生えていて吸盤の役割をしている
・うしろ羽にも細かい毛がはえていて、水をはじいたり
羽をたたみやすくしたりしている